半クラをマスターしよう

エンストはするものと思って発進

バイクの運転において、初心者から中級者に至るまで難しいと感じることが多いのが発進のバランス取りです。
発進時にはアクセル、クラッチ、両ブレーキと複数の操作を一度にしないといけないからです。
そしてなにより、低速時はボディーが揺れて安定しないのでマシンコントロールをするのが大変です。
このように発進時はいろいろと考えることが多いので、どうしてもミスが出がちです。

こうした状況では、「何を一番避けるべきか」というリスク管理をすることが大事です。
何よりも避けるべきものは、転倒です。
発進時に転倒してしまうと自分もバイクも傷つける恐れがありますし、引き起こしに苦労します。
道路上で転倒してしまうと、後続車からの追突を含めて危険もかなり高くなります。
そこで、転倒を避けるために他のミスは起きてもしょうがない、という気持ちでいると精神的に楽になれます。

発進時にライダーが気にしがちなのが、アクセルとクラッチのタイミングを間違えて起こすエンストです。
しかしこうした失敗は誰にでもあるものですので、エンストはするものと思って備えておくことが大事です。
エンストする可能性を考えていないと、クラッチミートが合わくなった時に強いショックが来たり、急にバイクが減速したりします。
その勢いでバランスを崩し転倒、という最悪のトラブルに至ることがあるからです。

自分の中で「エンストするかもしれない」という思いでいれば、こうしたショックを感じても体の準備ができているので、安全にもう一度エンジンスタートとクラッチミートができるようになります。
転倒するよりもずっと良い選択肢になる、というわけです。

スムーズな半クラのコツ

同時にできるだけエンストを防ぐ、スムーズな半クラの方法を学ぶ必要もあります。
まず握り方ですが、レバーを人差し指と中指で抑え、グリップは薬指と小指でしっかりと支えます。
この握り方によって微調整がしやすくなります。

その上で、クラッチを離す時には一気に離すのではなく、ゆっくりとギアのつながりを体全体に感じる振動と音で判断しながら開放していきます。
モデルによってはクラッチ調整機能が付いていますので、自分にとってやりやすい位置でのクラッチのつながりを調整しておくのも良いでしょう。

上手に半クラをして発進していくための練習としては、アイドリングからのスタートを練習してみましょう。
アクセルを回さず、クラッチの操作だけでじわりと発進させてバイクを前進させる動きを繰り返してやっていくのです。
こうすることで、クラッチをコントロールする感覚をつかみやすくなります。
また、クラッチを中心とした発進動作をすることで、バランスが悪くなった時にアクセルを入れて車体を安定させるというテクニックが使いやすくなります。

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