上級者向きのメンテナンスとは
バイクの扱いにも慣れ、一通りパーツ交換ができるようになれば、すでにバイクの構造は頭に入っているはずです。
次に挑戦したいのは、メンテナンススキルをさらに、向上させるためのオーバーホールです。
バイクのオーバーホールは、機械製品を部品単位まで分解し、清掃後組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のことを言います。
では、オーバーホールを含めた、上級者向けのメンテナンスを見ていきましょう。
フロントホークオーバーホール
バイクのフロントフォークのオーバーホールは、以下の手順で丁寧に行っていきます。
オイルの受け皿と工具、ぞうきん/段ボールなどを用意しておきましょう。
100cc程度の注射と、先端に取り付けるチューブがあると、フォークオイルを入れる際には便利です。
まずは、ホイールの脱着を行いますが、フロントメンテナンススタンドよりも、ジャッキを使用する方が作業が楽です。いよいよ、フォークの脱着を始めます。
手順どおり、インナーチューブを引き抜く工程まで終了すれば、すべてのパーツの摩耗やさびをチェックし、パーツクリーナーで洗浄しておきます。
洗浄後のパーツは、段ボールでレバーなど敷き、並べておきましょう。
交換パーツが必要な場合は、別途用意しておきます。
当然ですが、ねじロック剤/オイルシール/フォークオイルなども準備しておきます。
次に、インナーチューブをインストールし、パーツを組みたて終われば取り付け完了となります。
ブレーキキャリパーオーバーホール
まずは、キャリパーを外していきます。
ブレーキホースを外す際に、ブレーキ液が漏れますので、ブレーキレバーを握ったままの状態に出来るよう、レバーをバンドやゴムで止めておきます。
ブレーキ液が塗装面に付着すると、塗料がはげますので、付着したらすぐに洗っておきましょう。
キャリパーのボルトをゆるめ、すべて分解していきます。ピストンを引き抜く際には、専用のピストンプーラーを用います。
次に、ダストシールとオイルシールを外し、すべてのパーツを洗浄していきます。
キャリパーの洗浄には、毛先の柔らかいブラシを灯油で湿らせて、丁寧にダストを落していきます。
ピストンは、コンパウンドで綺麗に磨きますが、あまりにサビがひどい場合は交換します。
ピストンには、耐熱グリスを塗り、オイルシールとダストシールは、取り付ける前に耐熱グリースを薄く塗っておきます。
後は逆の手順で、組み立てていけば完了です。
キャブレターオーバーホール
キャブレターオーバーホールは、以下の手順で行っていきます。
まずは、キャブレターの脱却を、手順通り行っておきます。
『フロートチャンバー』
・ドレンネジを緩めて、フロートチャンバーに溜まっているガソリンを容器に排出し、ドレンネジを締め直しておきます。
『ダイヤフラムの取り外し』
・中からスプリングが出てくるのでなくさないよう注意し、丁寧にラジオペンチなどで、ダイヤフラムを外します。
『ジェット類の取り外し』
・キャブレターを裏返して、フロートチャンバー側を分解していきます。
この時、メインジェットとスロージェットはメモしておきます。
パイロットスクリュー内部には、スプリングが入っていますので、竹串やつま楊枝などで取り出します。
ワッシャーなど、小さな部品も多いので気をつけていきましょう。
パーツ類は、キャブレタークリーナーで洗浄しますが、クリアパックなどに入れて、まとめて洗浄すると楽です。
すべて洗浄し終わったらきれいにふき取り、交換部品も含めて組み立て作業でオーバーホール完了です。