自動車事故の補償額を決める過失割合とは
バイクや自動車が交通事故を起こした場合、保険会社はその事故の責任がどちらにどれくらいあるかということを判断します。
停車をしているところに一方的に追突をした場合など片一方だけに責任がある事故は「10:0(じゅうぜろ)」といった言われ方をしますが、ほとんどの交通事故はそれほど単純なものではありません。
事故が起こった時に連絡を受けた保険会社の担当者はまず事故見分や車両の破損情報などからどういった状況で事故が起こったかということを調査し、そこで過失割合の計算をしていきます。
この時に判断基準となるのは過去の裁判例で、交通裁判所で過去に同様の事故でどういった判決が出たかというデータをもとにして現在の事故ではどのくらいと判断するのが適当かということを決めていきます。
ただしこの交渉はそれぞれの保険会社の担当者の手腕による部分も大きく、より有利に保険金を受けるためには正しい判断で話し合いをしてくれるかどうかということが重要になってきます。
勘違いされることが多いのが事故の過失割合は警察官による事故見分の時に決まると思われていることです。
道路上で事故を起こした時には110番から通報をするとすぐに警察官が現地に来てどういった状況で事故が起こったかを詳しく調査していきます。
しかし警察官の仕事はどういった事故が起こったかということを事実に基づいて細かく調査をすることで、その事故に対しての過失割合がどうであるかということについては口出しはしません。
過失割合は民事の問題となりますので、事実は事実としてその責任についての話し合いは当事者同士(お互いの保険会社の担当者)によって決められます。
過失割りを決めるポイント
例えば交差点での出会い頭の衝突があった場合など、その現場の道路の広さや信号機の色、一時停止線の位置など状況により過失がどちらにあるか判断していくことになります。
その際に参考とされるのが先にも述べたように過去の裁判例で、以前の判決と比べて今回の事故はどのような点に違いがあるかということをお互いに主張しながら決めていきます。
基本的には大手保険会社では過去のデーターベースを誰でも参照することができるので、極端に担当者により割合が有利・不利になるということはありません。
実際の事故で争いになった事例
過去に争いになった事例として、最初の話し合いで過失割合が3:7と保険会社で判断されたものの、その内容に納得がいかないということで再度弁護士を雇って訴えたところ、相手過失が10割になったということがあります。
この事例では信号のない三叉路でタクシーが反対車線から突っ込んできたのですが、過去の事例をもとに最初の割合が提示されました。
しかし事実を調べたところ過失はないということになったので、もし納得がいかない事例があれば弁護士を介入させるのも一つの方法です。